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プログラムと折り紙のブログです。

裁判員やってみた

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裁判員やってみました。

ある日突然裁判員の候補者リストに入りましたと通知が来て、それも忘れた頃に裁判やるよと連絡があり、運良く選任されて7日間裁判所に通いつめました。なかなかに刺激的かつ勉強になる体験だったので、もし機会があれば是非やってみてください。

今回は横領・殺人事件を審理する裁判でした。

お勧めする理由

レアな体験

実際に裁判員に選任される確率は1年あたり0.01%だそうです。ソシャゲにはまってる同僚もびっくりする確率でした。そして法廷では裁判長の横に座ります。傍聴席から皆が見ています。被告人とも真正面から向かい合います。そこからはドラマで見たシーンのオンパレードでした。本物の「異議あり!」、涙ながらに語る証人、うつむく被告人。さらに極め付けは記者会見への出席です。それ自体は小規模で記者3名からおきまりの質問をされるだけでしたが、取材されること自体が人生初でした。

全力サポート

裁判のやり方なんて分からないし、素人でも大丈夫なの?と心配なさるかもしれません。しかし全くの無用です。書記官や裁判官、裁判長が一体となってサポートしてくれます。裁判の基本的な仕組み、裁判員の役割、刑の決め方、etc... なんでも質問に答えてくれました。また裁判資料も、裁判員のためにわかりやすい資料が準備されます。検察官や弁護士が使い慣れてないパワポを駆使して作ってくれたことが資料から伝わってきて胸が熱くなりました。殺人事件となると証拠として遺体の写真も出てくるのですが、ショックを受けないようにイラストにしてくれます。それでも裁判後にトラウマになってしまった場合は、なんとカウンセリングを無料で受けられます!手厚いですねー。

裁判官、裁判長の皆さんには本当にお世話になりました。色々な省庁でのランチに連れて行ってもらったり、普段の働き方とか裁判ドラマがリアルかどうかといった話をしてくれたり。農林水産省の食堂がクジラも食べれて人気だそうです。

裁判の仕組みが分かる

やはり裁判や刑の種類などは詳しくなりました。なんとなく検察と弁護士が争うんだよねというのは知っていましたが、法廷で提出された証拠しか論拠にできない事は知りませんでした。刑の種類や区別も詳しくなりました。保険金殺人とかは無期懲役以上になるんですね。

裁判の重さが分かる

裁判員としては最終的に量刑を決める務めがあります。これはやっぱりしんどかったです。量刑が重いと1年ぐらいは誤差な気がしますが、1年はやはり1年です。人の人生に影響を与えるには十分な時間です。被害者や被告の人生、関係者の人生が垣間見え、それらに自分の決断が影響を与えるという事を考えると、真剣に審理に取り組むしか道はありませんでした。そしてそういった裁判が日々行われ、日々人生を左右している。しばらくはニュースを見る目が変わりそうです。

意見が反映される

もともと裁判員制度の目的のひとつに、国民が刑事裁判に参加する事により国民の良識が反映されるようになること、というものがあります。今回参加してみてまさに反映されていることが実感できました。自分で証人や被告に質問することもできますし、裁判官、裁判長は必ず裁判員の意見を確認してくれました。実際この裁判員制度が始まってから、介護殺人の量刑は軽くなってきたそうです。

FAQ

以下は実際に質問された事を答えてみます。

こわくない?

確かにちょっと怖かったです。殺人事件だったので、人を殺した人と対面するわけですよね。逆恨みされるんじゃないか?って心配もしました。ただし矢面に立つのは裁判長なので、いちいち自分が恨まれる事もないかなと思いました。また質問したいけど怖いから自分でしたくなければ、代わりに裁判官がやってくれます。事件の内容を聞いてから辞退するタイミングもあります。

拘束期間は?

今回は選任手続きを入れて7日間でした。朝10時から法廷で、16時くらいまでには終了します。前倒しになることもあります。裁判によって長さはまちまちで、3日で終わる事もあれば3ヶ月かかったケースもあるそうです。

有給?

労働基準法で会社は従業員を裁判員に参加させる義務があります。休みの形式は特別休暇を設ける事が推奨されていますが、有給・無給どちらにするかは会社に任されています。今回は会社に相談したら特別休暇を新設してもらった人、有給休暇をとった人、無給休暇だった人と様々でした。

今日書かなかったら一生書かない気がしたので一気に書きました。また候補になったら多分やらないとは思いますが、ぜひ一度はやってみることをお勧めしたいです。